南のしま探検には○○を持参せよ

筆者個人の都合で訪問場所の詳細を伏せたりしてあるので、具体的な情報源としてはホボ役に立たない内容ですが、南のしま行き当たりばったり一人旅が初めての方にはなんとなく参考になるカモ。重要なのは、現地の情報に耳を傾けることと、○○を持参することです。

目次

沖縄旅行ではヤド選びが重要

とりわけ沖縄の旅で重要なのが、ヤド。お洒落なリゾートホテルやペンションなどももちろんあるのですが、そういうところでは(筆者が考えるところの)沖縄の一人旅の醍醐味は味わえません。

とりわけ行き当たりばったり旅がお好きな方には民宿がおすすめです。なぜかというと、食事の前後に「ゆんたく」といわれる旅人同士のおしゃべりの場が提供されることが多いからです。食事は席がきっちり分けられておらず、大きな卓を皆で囲む形式で、初対面でも話しやすい雰囲気であることが多いです。そこで得られた情報を元に旅の計画を組み直すこともできるワケです。

また、大抵の民宿ではサービスで泡盛がついてきます。酒飲みであれば外食するより安くつくのは確実なので、素泊まりよりは夕食付きにするのがおすすめ。

とはいえ、ヤドにも当たり外れがあります。過去に何度か失敗しているので、石垣島在住の友人に西表島のおすすめのヤドを訊いてみました。すると、とあるヤドを即答。人気なので予約が取れないかも、とのことでしたが、梅雨時のオフシーズンのためか難なく三泊予約できました。

おすすめポイントは「女将さんがとても素敵」なところ。

あいにく、筆者の滞在予定期間に休業日が一日だけかかっていたため、初日のみ別のヤドを予約しました。

一泊目のヤドは、写真で見る限りは地中海風の白い壁のお洒落な建物で、全ての部屋からオーシャンビューが臨めるとのことでしたが、筆者が押し込められたのは少し離れたところにある「別館」。とても殺風景なウィークリーマンション風の建物で、オーシャンビューは無し。とはいえコイン式ではないエアコンがついており、テレビ・冷蔵庫・キッチンの流し台まであります。勿論シャワーとトイレもあり、ヒトリには十分すぎるほどの広さと設備ですが…化粧台に照明がなかったり、窓に網戸がついていなかったり、ビミョーなところで使い勝手が悪い。そして、冷蔵庫があるというのにこの部屋での飲食禁止、という規則はワケがわかりません。

スタッフは、恐らくバイトと思しき若くて元気なヒトビト。なんだか部活動でヤドを運営しているような軽い雰囲気です。そして、ヤド主催のさまざまなツアーが用意されています(ただし、たいそうなお値段)。ジャングル探検とか、シュノーケルツアーとか、今の時期見頃の珍しい花を夜中にカヌーで見に行くツアーとか、星空観察会だとか。

ウィークリーマンション的外観の別館
インテリアは結構おシャレだが…

このヤドに限らず、マリンスポーツ専門店やトレッキングガイド専門店が島内にはたくさんあって、オカネを払えばお膳立てが全て整った状態でソコソコ楽しい体験をさせてもらえます。本土にはない自然を安全にまんべんなく満喫できるので、そういうのにのっかって毎日を過ごすのもそれはそれでアリですが…なんかちょっと、ジブンの求めているものと違うんだよな…と思い、食指は伸びませんでした。

所詮、一泊目のヤドは寝るだけの場所。部屋で晩酌もせず、旅人と話すこともなく、ツアーに参加するでもなく、静かな一夜を過ごしました。

さて、翌朝。本命のヤドの女将さんが車で迎えに来てくださるとおっしゃるので、午前8時に来ていただきました。運転席に座っていたのは、小柄な可愛らし女性。「別館にいたのでスミマセン、ちょっと遅れました」と言い訳すると「あら!ここのお宿、別館なんてあるの?ドコに?教えて!」想定外の反応。車に乗せていただいて別館前までご案内すると「ココは以前は近所のスーパーの社員寮だったの」とのこと。建て替え工事をしていたので、何になったのだろう?と、ずっと疑問に思っていたそうです。謎が解けた女将さん、あとから他のヒトビトに「あそこはあのお宿の別館なのよ。お客さんに教えてもらったの」っと触れて回っていました。

さて、このヤド、あまりにも人気で、ハイシーズンの真夏の間は既に予約でいっぱいだとか。女将さんヒトリで切り盛りしていて手が回らないこともあり、時折休業したり、新規のお客さんはお断りすることもあるそうです。これ以上予約が殺到すると女将さんがお気の毒なので、ヤドの名前はナイショ。

ヤドの裏はすぐ海
白い砂浜の海(*´∀`*)
屋上に上がれるようになっているけど柵はない

いきなりシュノーケルツアー

さて、ヤドに着くやいなや。コーヒーがあるのでお上がり、とすすめられ、喜び勇んで食堂に駆け込みます。前日が休みだったので泊まりのお客さんはいませんが、ご近所の方がコーヒーを飲みに来ていたりして賑やかな雰囲気。

腰を落ち着ける間もなく、女将さんが訊ねてきます。

女将さん
今日はどうする予定?

天気予報では、滞在期間中、この日だけが一日中晴れることになっていたので、晴れた日にしかできないこと、すなわちバイクを借りて走ろうかな、くらいのことしか考えていませんでした。その旨を告げると、女将さん、こう続けます。

女将さん
海は好き?
筆者
いえ、実はあまり興味がありません…

筆者の答えを聞いて、女将さん、一瞬躊躇をみせたものの、こう言い切りました。

女将さん
わかった。でもよく聞いて。私の一押しプラン。

そして、やおらこの周辺の地図を取り出します。

女将さん
あなたは今、ココからココまで来たの。

と、前のヤドから、今のヤドまでの道のりを指し示します。

女将さん
まだコレだけしか西表を見ていないワケ。西表島はこんなに大きいのに、コレではあまりにも切ない。

あ、あと3泊しますけどね(^_^;)

女将さん
西表の西側を一気に見て回れるおすすめのシュノーケルツアーがあるんだけど…

あれ、海に興味ないって言ったよね(^_^;)

女将さん
山へ行くなら雨の日でもいいけど、海は晴れた日に行かなきゃ楽しくないから、今日は海へ行くことをおすすめします!

な、なるほど…(^_^;)

女将さん
まず、祖納の漁港から出発して、外パナリ、内パナリを回ります。それからマングローブ林の川を遡り滝を見に行くの。ココへは普通、船をチャーターしないと行けません。それから船浮(ふなうき)の集落へ。船浮へ行くには船代だけで往復1000円かかります。

船浮とは、西表島の西の端にある集落で、陸の孤島。ホカの集落と道路で繋がっていないため、行き来するには船が必要です。ココにはなんとなく行きたいと思っていましたが、西表島の路線バスは一日四本しか走っておらず、定期船は必ずしもバスと連絡しているわけではないので、公共交通機関だけで行こうとすると時間のロスが大きくなります。なので、こっち方面を回るべく、バイクを、となんとなく考えていたワケです。

イリオモテヤマネコ発見捕獲の地(船浮集落)
なんか可愛らしいそぼくな魚のレリーフ(船浮集落)
女将さん
その後、シュノーケリングポイントへ。ランチ付きでなんと6000円ポッキリ!
筆者
安い(゚д゚)!

実際は6800円で、用具のレンタルも含めて7800円でしたが(^_^;)

論理的に破綻している点は多々ありながらも、ごもっともな点もあり、「お膳立てが全て整った」ツアーの割には行程に余裕がありそうです。結局女将さんのゴーインなおすすめに乗っかることにしました。女将さんは、即、ツアー元に連絡を取ってくださいました。

迎えが来るのが9時20分。8時過ぎにヤドにつき、落ち着く間もありません。海に入る用意を手早く済ませてツアーに参加しました。

詳細は割愛しますが、結果、大正解\(^O^)/

しげた丸ツアー案内

晴天\(^O^)/背景は船浮の港
マングローブ林を航行する

ジャングル探検がたのしすぎる

さて、翌日は朝から雨模様。結構激しく降っています。

筆者は海か山かと問われれば、断然山派。西表島ではマリンスポーツよりも山歩きに期待を寄せていました。なにしろ石垣島に初めて行った時、上空から島の北側に山脈があるのを認めるや「石垣島に山が!登ろう!」と即決した程の山派です。因みに沖縄県最高峰は石垣島の於茂登(おもと)岳。標高526メートルですw

とはいえ、熱帯雨林の山は、植生や整備の度合いが本土の山とは異なり、ガイド無しで入っていけるルートはそんなに多くはありません。ですが、川のかなり奥まで遊覧船で行き、その先を軽くトレッキングするコースがあることを石垣島の友人から訊いていました。船着き場にはヤドから歩いて行けなくもないので、路線バスの時間に間に合わなかったら歩いていこう、くらいのことを考えていました。

すると、女将さんが今日の予定を訊ねてきます。

女将さん
今日はどうする?
女将さん
浦内川のトレッキングに行ってみようかと思ってます
筆者
そうね。雨だし、それがいいわ。じゃ、船着き場まで送ってあげる。

え、おくってくださるの!(゚д゚)!

船着き場まではバスもあるのだけど、ホレ、一日四本しかないから調整が難しいのですよ。朝一番の船に間に合うように送っていただければ、それは助かります。ヤドをすすめてくれた友人から、女将さんが観光の相談にも乗ってくれるとは訊いていたのだけど、ここまでヒトリヒトリ入念に面倒をみてくださるとは!人気のヤドになるのもうなずけます。

浦内川は川幅がとても広く、河口付近からしばらくは高低差がほとんどなくて、それゆえ遊覧船での航行ができるワケです。見どころで船の速度を落としつつ解説をしてくれ、ゆっくり30分かけて川を遡上します。上流の船着き場では、船長さんに帰りの時間を訊かれます。行って帰ってくるだけなら二時間後、ややゆっくりしたいなら二時間半後の船に乗ることをすすめらました。

「女将さんの立てた計画」は、雨が降っているのでトレッキング中それほどゆっくりするカンジでもなく、路線バスに連絡している二時間後の船に乗って帰るべし、そうすれば食堂のある地区にお昼を食べに戻ってこられる、といったモノでしたが、あまりにも慌ただしいのは避けたいので、二時間半後の船に乗ることにしました。

ところが。

遊歩道の終点にたどり着いた頃には雨はすっかり止んでおり、そして激しく後悔します。

筆者
ココにあと一時間以上は居られる\(^O^)/

そこには広々とした砂岩の川原があり、川の水はベッタリと広がった岩の上をなだらかに流れています。一応コレは滝の括りになるそうですが、なだらかなので大した装備がなくてももっと上まで上がっていけそう。実際、滝の上まで沢登りを楽しむガイド付きツアーがあるようです。

しかし、船の時間を決めてきてしまったので遅れるわけには行かず、泣く泣く30分ほどの滞在にとどめました。

浦内川上流の船着き場
熱帯雨林の中の浦内川
遠くにマリュドゥの滝が見える
トレッキングコース終点のカンビレーの滝
どんどん上まで登っていけそう
下流の船着き場。戻ってきたときにはすっかり晴れ模様。

帰りも遊覧船は見どころ案内付き。下流の船着き場が近くなったところで、船長さんが耳寄りな情報をもたらしてくれます。船着き場の側にも短い遊歩道があって、浦内川の支流の一つに地上からアクセスできるとのこと。しかもそこには炭鉱街の跡があるのだとか。

こんな南の島に炭鉱(゚д゚)!

西表島周辺の堆積岩の間に薄い石炭層があり、明治から昭和初期にかけて盛んに採掘が行われていたそうです。とりわけ今回訪問した宇多良炭鉱は、上下水道が整備されるなど生活環境が良好に保たれた炭鉱街だったそうです。

丸三炭鉱宇多ら鉱業所の全景

マングローブの膝根が遊歩道から観察できる
水道の栓?みたいなモノが川の中に
オオタニワタリが盛大に生えている木道

この炭鉱跡は日本近代化産業遺産群に指定されており、遺跡周辺には木道が敷かれて見学しやすいようになっていました。ただし、ほとんど人が来ないのか、木道にはオオタニワタリが盛大に生えています。ツアーのお客さんは忙しいから、現地でこんな情報を入手しても道草を食っちゃいられないのですね。

残っているのはトロッコの支柱であったと思しきレンガの建造物などですが、これらに木の根ががっしり絡みついていました。

そうこうするうちに時刻は二時過ぎに。しまの食事処はだいたい午後二時で昼の営業を終わってしまうので、もはや間に合いません。やむなく手持ちのオヤツを食べ尽くしてお昼ごはんの代わりにしました。ジャングル探検には、お弁当を持っていったほうがよさそうですね。

浦内川観光 マリユド ・カンビレーの滝トレッキング

木の根が絡みついた宇多良炭鉱の遺跡

ダレもいない穴場な岬

翌日の計画は特に立てていなかったのですが、なんとなーく地図を眺めていると、「ナントカ崎」と名前の付いた岬が目に止まりました。遊歩道らしきものもついており、集落から離れていそうな雰囲気。特に詳細は調べず、ココに行ってみることにしました。浦内川の船着き場よりは大分手前なので、ココこそ歩いていける距離にありましたが、行き着くまでに時間をかけているとまた昼ごはんを食いっぱぐれる恐れがあったので、行きだけ女将さんに送っていただくことに。お願いすると「この岬、ステキよ」と女将さんもなんだかウレシそう。

二~三日前の天気予報では雨でしたが、この日もほぼ快晴。

誰もいない岬の公園

連れて行っていただくと、見事に誰もいませんでした。そして、眼前に広がる大海原。ダレも来なさそうな名も無き美しい浜もありました。

筆者
やばい、ココに三時間は居られる\(^O^)/

女将さんはかつて、プライベートでしまに来ていた高倉健さんがこの岬にヒトリ佇んでいるのを見かけたことがあるそうです。想像するだけでかっこよすぎです(#^_^ #)。

とても謙虚な方だった、とのことなので、ひょっとしたら女将さんのところにお泊りになったか、少し立ち話をされたりしたのでしょう。

岬は広々とした公園になっており、先端には二階建ての展望台があります。屋根がついているので強い日差しは遮られ、心地よい風が常に吹いていて、本当にいつまでもいられそう。実際、展望台の上で寝転がったり持ってきたホンを読んだりして二時間ほど過ごしたでしょうか。ホカに予定もないのでまだまだいられはしましたが、とはいえお腹が空いてきました。「今日も弁当持参で来るべきだった」と激しく後悔。またしても泣く泣くこの地をあとにしました。

とはいえ、前日行きそびれた女将さんおすすめの食堂にも行ってみたくはありました。その食堂は「星砂の浜」という、いかにも観光客が立ち寄りそうなカンジの場所にあり、一応浜にも降りてみましたが、これっぱかしの人の多さに辟易して「あの岬に戻りたい…」と思ったことしきり。この浜は遠浅の海が広がっているので、シュノーケリングに超おすすめだそうです。

ちなみに件の岬、しまの西側が開けた場所なので、天気の良い日は夕日がとても綺麗だそうです。朝から夕方まで、一日中いられそうですね。

この岬も、観光客が押し寄せるとイヤなので、名前はナイショです。まー、ガイドブックなどに載っているとは思いますが…。

行き当たりばったりの短い西表島滞在でしたが、学んだことは「行き当たりばったりに過ごしたいなら弁当を持っていけ」ということです。しま自体が大きいので、移動手段がないと食事に困りますからね。次回以降、気をつけようと思います。

星砂の浜に集うヒトビト