タヌキはニホンアライグマではない

先日、ドイツ人の知人男性がご家族とともに日本に旅行やってきました。

彼らと一緒に観光している際、彼の奥さんが「コレは何?」と指差したのは、信楽焼のタヌキの置物。日本のあちこちで見かけてよほど気になっていたのでしょう。ワレワレ日本人にとってはもはや空気と同じくらいのありふれた存在なので改めて問われると、え?何が気になるの?という気もしますが、タヌキは極東地域原産種なので、実物のタヌキを見ても欧米の人には何なのかよくわからないかもしれません。その上件の置物はかなりデフォルメされてもいます。

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タヌキの英語訳はraccoonではない

「あ、それはね、raccoonだよ!」と、ついウッカリ言ってしまったのですが、これが混乱の元でした。

筆者の答えを聞くや否や、知人が嬉しそうに言います。

「Araigumaだね!」

彼はなぜか「アライグマ」「恐竜」という日本語を知っており、出会った当時(十数年前)から折に触れてそのことに言及していました。一体どういう経緯でそれらの単語を覚えたのかはまったくもってナゾですが、その単語を、よりによって日本で実際に使用する機会が、満を持して到来\(^O^)/

とはいえ、タヌキはアライグマではありません。「あ、いやいや、アライグマじゃないよ」と筆者が否定すると、「だってraccoonはアライグマのことじゃん」と彼は疑問を呈しました。

実は、タヌキを表す英語はraccoonではなく、raccoon dogだそうです。「証城寺のタヌキ」の英語歌詞が頭にあって、勘違いしておりました。

しかし、その時はタヌキの正しい訳語は思い出せず、彼も正しいタヌキを知りません。

じゃあJapanese Araigumaかなあ…と口に出してしまいましたが、余計に誤解を生みそうな表現です。

タヌキの置物産地の話で落ちとする

結局タヌキがナニモノかを上手く説明することはできず、こういう置物を作っている焼き物の産地(信楽)があって、ソコへ行くと見渡す限りタヌキの置物だらけなんだよ、という話をして落ちとしました。

それ以外に、タヌキの下腹部がとりわけデフォルメされているという話もしたかったのですが、ジブンの英会話力では面白おかしく説明する自信がなく、スベりそうだったのでやめました。

ちなみに、タヌキの置物は信楽以外の焼き物産地でも生産されています。次の写真は筆者の地元、愛知県常滑市で見かけたものです。ユーモラスにデフォルメされている信楽焼に対して、リアルな造形ですね。高校生の頃にモノクロフィルムで撮影しました。生涯で1枚あるかないかというくらいの自信作です (((  ̄ー ̄)))

常滑焼のタヌキ

外来種としてそこかしこに暮らすタヌキとアライグマ

東山動物園のホンドタヌキ

アライグマは北米原産の動物ですが、実は日本にも外来種として生息しています。ペットとして飼われていた個体などが野生化し、日本国内の野山でフツーに暮らしているようです。そしてヨーロッパでも外来種として定着しているとのこと。

ちなみにドイツ語ではWaschbärと言うそうです。Waschenが「洗う」という意味の動詞、Bärがクマなので、日本語と同じ造りの訳語ですね。

ついでに調べたところ、タヌキはMarderhundだそうです。Marderは貂(てん)、Huntは犬。すなわち貂犬ってコトですか。なんかビミョウ…。

意外なことに、タヌキもヨーロッパでも生息が確認されているそうです。毛皮採取目的でロシアで飼育されていたタヌキが野生化したのだとか。

これらのことは帰宅してからぐぐって調べました。知人の日本旅行のおかげで、タヌキやアライグマに対する知識が深まりました(*´∀`*)

余談ですが、今回はきちんとおもてなしできなかったという悔いが大いに残っています。またいつか来日される際には、ぜひとも暑苦しくない程度に盛大におもてなししたいと思っています。

水辺で遊ぶタヌキ(*´∀`*)